衣類やファッションアイテムをはじめ、家具・家電・生活雑貨に至るまで、暮らしに関わるアイテムを幅広く取り扱う総合リユースショップ「トレジャーファクトリー」(以下、トレファク)。
当社では「店頭買取」のほか、査定をお客様の自宅で行う「出張買取」サービスも提供しています。

ご自宅にいながら査定と買取が完結するため、持ち運びに不安を感じるハイブランド品や、運ぶのが大変な大型家具・家電を手放したいときに非常に便利。買い替えや引越し時にご利用される方が多いようです。
本サービスの利用者にはリピーターも多く、訪問バイヤーを指名するお客様も少なくないとか。その魅力を探るべく、ブランド家具やハイブランドアイテムの買取に定評があるベテラン訪問バイヤー・岩瀬さんにお話を伺いました。
プロフィール

トレファク出張買取トップバイヤー 岩瀬
査定歴17年。家具、照明、ハイブランドアイテム、腕時計ジャンルが得意。自身の自宅ではLouisPoulsenの照明を愛用しながらも、照明のコレクターとして多くの照明を所有している。
「売っていただく物のストーリーを直接聞けることが嬉しい」

訪問バイヤーのお仕事は、日々多忙です。岩瀬さんはトレファク店舗経験を含め、約17年間査定の仕事に従事してきました。
岩瀬さんのように店舗経験からさらに査定知識を深めた方のほか、接客業、家具設計経験者など、様々な経歴の方が訪問バイヤーとして活躍しています。
― 店舗買取との違い、出張買取ならではの面白さってなんでしょう?

「ご自宅にお伺いして、お客様の表情や売っていただく物への思いを聞きながら買取ができることですね。やり取りの中で信頼していただくと、”これも見てほしい”とさまざまなお品を拝見する機会をいただいたり、対面ならではの予定外の物との出会いもあります」
― ブランド物の真贋を見分けるために、日々どのような勉強されていますか?
「ご自宅に直接お伺いして査定をするということは、家中の物の知識を蓄えておかないと対応ができないんですよね。市場価値を正確に判断するために、日々の情報収集は欠かせません。査定知識や市場の動向は、かなり勉強してきたつもりです。

トレファクには長年蓄積された独自のデータベースもありますし、教育体制も整っています。実物を見ながら真贋力を養う環境がありました」
― 査定で意識していることは何ですか?
「トレファクには複数の販路があるので、アイテムによって最も高値で販売できる販路はどこか、という部分を意識して査定しています。
そうすることで、他社では難しいジャンルの買取も対応できますし、出来る限りお客様に還元した査定額をご提示できると思っています。

依頼品と向き合う以前に、”お客様と対面で向き合う”という部分は、店頭買取でも同じですが、その比重は出張買取の方が大きいかもしれません。
売っていただく物のストーリーを聞いたり、査定を通して、お客様の価値観や生活スタイルを知ることにもなり、奥深い仕事だと感じています」

ソファ、ダイニングセット、照明の買取はなぜ人気?
多様な買取品目の中でも、ブランド家具の買取は需要が高いそうです。
結婚や出産、引越しや買い替えのタイミングで利用する機会が多い出張買取では、ソファ、ダイニングセット、照明の依頼が特に多いといいます。

― なぜその3点の需要が高いのですか?
「ソファは日常生活では必要不可欠なアイテムなので、買う側の需要もあって高く売れやすい。とは言え、いざ手放すとなると一人では運べないですし、買取店舗への持ち込みも難しいアイテムです。
ダイニングセットは、家族が増えて大きなテーブルにしたいだとか、子どもが独立してコンパクトな物にしたいなど、生活スタイルの変化から買い替えを検討して手放す方が多いですね。
照明はそれ一つで部屋の雰囲気をがらりと変えることができますし、コレクターが多いアイテムです。中古相場も高いので高価買取につながりやすいんです」
ジャパンディ人気から北欧ブランドの家具人気が定番化

以前は鉄製やアイアン製の素材を使ったインダストリアルな物が流行っていた時期もありましたが、今はナチュラルテイストに寄っていて、北欧のブランド家具の買取が増えています。
― よく依頼がある家具ブランドやシリーズを教えてください
「北欧のブランドが常に人気で、買取も販売も需要が高いです。『CARL HANSEN & SØN』のYチェアや『Artek』の90A円形テーブルも最近依頼があり、買取をしたばかりです。

海外でも北欧×日本のジャパンディテイストが人気ですよね。もともと日本のインテリアにも相性が良いですし、日本の壁紙の雰囲気に合うナチュラルやホワイトカラーが特に売れています」
生活感のない美術館のようなお宅で出会った逸品
様々な事情で手放すことになったブランド家具は、持ち主の思い入れもきっと強いはず。生活に近い存在であるだけに、家具の買取は人となりを感じるエピソードに溢れています。
― 過去に買い取ったブランド家具の中で、特に印象に残っているエピソードは?
「10年ほど前に、『Cassina.ixc』のLC2(レザーソファ)を買い取ったことがあります。定価150〜200万円ほどの高級品です。

仕事の都合で日本と海外の二拠点生活でしたが、海外転勤のため手放すとのことでした。ほとんど未使用で状態のいいものです。
訪問先のタワーマンションに着くと、まるで美術館のように一角にぽつんと置かれていて。その光景がとても印象的でした」
ラグジュアリーからデザイナーズ家具まで 買取実績例
ブランド家具の場合は、発売時期が新しいものやブランドのアイコンとなるような人気アイテムの方が、査定額が高くなることが多いそうです。
ただし、限定品などなかなか手に入らない物は査定額があがります。
ここからは、トレファク出張買取の取扱い事例をいくつかご紹介します。
Molteni&C/TURNER(コーナーソファ)


50代のご夫婦からの依頼で買取させていただきました。奥様のご趣味で買ったソファーでしたが、お部屋の模様替えのタイミングで違うブランドの物に買い替えることにしたそうです。
こちらはイタリアのブランド『Molteni&C』のもの。家具だけでなく、収納やキッチンに至るまでを手がける、ラグジュアリーな総合インテリアブランドです。
なかでもブランドのアイコンとなるような代表的な「TURNER」シリーズは、サイズやバリエーションが豊富。こちらのお宅ではコーナーソファとして購入されたようです。使用年数も2年ぐらいで状態も大変良かったため、高額で買取となりました。
Cassina.ixc/LC1(スリングチェア)


一人暮らしの男性が引越しのため手放すことになり買取をしました。この他にもたくさんのブランド家具をお持ちの方で、このチェアも部屋にオブジェのように置いてありました。タグもついたままで、ほぼ未使用品です。
世界的に有名なデザイナーLE CORBUSIERが手がけたもので『Cassina.ixc』の中でも代表的なシリーズです。版権が切れているのでリプロダクトも多く出回っていますが、これは製造・販売の独占権があるため価格が高くなります。しっかり刻印も入っていますからね。


この商品は、フレームや座面にバリエーションがありますが、全面レザータイプの方が高い評価が付きます。
USM Haller/3列4段(ユニットシェルフ)


都心にお住まいの40代男性が、引越しを機に手放すことにしたので全部持っていって欲しいとのご依頼でした。
『USMHaller』のサイドボード・キャビネットは、パーツを追加したり、サイズやカラーを自由に組み替えることができるシリーズですが、既に別の物を購入して不要になってしまったそうです。
お部屋はソファーや照明などデザイナーズの家具で溢れていました。FLOSの照明やArtekなどテイストもさまざまで、インテリアをコレクションするのがお好きなのかもしれませんね。
MasterWal/シャドー(テレビボード)


こちらは別のバイヤーが買取したのですが、ウォールナットの無垢材にこだわる『MasterWal』という日本の家具ブランドのテレビボードです。”100年先のアンティーク家具へ”というコンセプトで、無垢材の経年変化を楽しみつつ、長く使い続けられるデザインが魅力です。
「シャドー」シリーズは知名度が高い訳ではないのですが、無垢材自体が高価なので評価させていただきました。コンパクトなサイズなので単身やディンクスの方に需要があると思います。
Artek/KAARI REB005(デスク)


先ほどご紹介した査定品のひとつと同時に買取をしたものです。
『Artek』は北欧モダンを代表するフィンランドのブランドです。
「KAARI」シリーズは、天板と脚を支えるアーチ型のスチール部分が特徴的で、デスクの他に壁付けシェルフやテーブルも展開しています。フランス人デザイナーのロナン&エルワン・ブルレック兄弟とコラボをして開発されたシリーズです。
天板はグロッシーな物と、こちらのマットなリノリウム素材から選べます。リノリウムの方が傷が目立ちづらいという特長があり定価が高くなるため、中古の相場も上がります。
『Artek』というブランド価値に加え、デザインや状態を加味して買取らせていただきました。
ちなみに、兄は絵も有名で、イッセイミヤケなどのアパレルブランドとコラボもする評価の高い画家でもあります。
Louis Poulsen/PH3 1/2-2 1/2Floorlamp COPPER(フロアランプ)
※2016年リミテッドエディション


都内のマンションに住む50代ぐらいのご夫婦の方から買取ました。照明のコレクションが趣味のようで、ご自宅にはたくさんの照明がありました。
こちらは『Louis Poulsen』のPHランプシリーズ。ガラスシェードを3枚組み合わせた美しいデザインが有名ですが、2016年にPH3の誕生から90年を記念して、銅を採用した限定モデルが300台だけ製造されました。


同じ限定品を二つ購入され、片方は銅のシェードに、もう片方は取替用に付属されたガラスシェードにして、寝室で使われていました。それぞれ取替用のシェードは、紛失してしまったようです。


ご本人もリミテッドのアイテムということは知らなかったようで、売ってよろしいですか、と思わず聞いてしまったほどです。
GERVASONI/ブリックサイドテーブルS(サイドテーブル)


40代の男性で都内の有名マンションにお住まいでした。トレファクはご存じなかったようですがWEBサイトを見てお申込みされたそうです。
こちらは天然木を使用したサイドテーブル。同じ形がひとつとしてない、唯一無二のデザインが魅力です。同じシリーズに鉄板を施したダイニングテーブルもあり、オブジェのような存在感で空間のアクセントになります。
お客様は部屋の雰囲気に合わないため手放すことを決めたそうで、2点セットでご依頼がありました。
Fritz hansen/セブンチェア(イス)


言わずと知れた『Fritz hansen』を代表するベストセラーですが、家具の歴史においてアイコン的な存在でもあります。
世界でもっとも売れているスタッキングチェアで、日本でも人気の定番品です。


リプロダクト品も多く出回っていますが、特に座面裏の仕様に差がでます。また、そこに劣化が見られることもあるので、状態は裏面もチェックします。
素材により買取額は異なり、限定色やレザー素材の方が高い買取額になります。
日々のトレンドウォッチと市場価格のチェックが日課
さまざまな家具の査定事例やエピソードをお聞きしましたが、査定時の様子やその後の流れについても伺いました。
― 査定額はいつもどのように決めているんですか?
「市場価格は頭の中にある程度インプットしていますが、過去の売上データやオークションの落札価格、他社の情報も日常的にチェックしています。
自宅にお伺いすると皆さんドキドキされているのが伝わるんです。お客様が安心できるよう、先に相場感をお伝えしてから状態を確認して、具体的な金額をご提示するようにしています。

自宅というプライベート空間に入るからこそ、お客様が安心して任せられるよう、気配りを大切にしています。
大体の査定額をお伝えすると、お客様がホッとした顔をされて、購入時の思い出などを話してくださるんです。そうした想いをしっかり受け止めて、誠意を持って対応することを心がけています」
対面だからこそ生まれる信頼関係で高いリピート率に

岩瀬さんの真摯な対応がお客様の印象に残り、リピーターとなってくれるのでしょう。家具は頻繁に買い替えるものではないものの、5年~10年越しに指名で買取依頼の連絡をくれる方が多くいるのだといいます。
― ご指名で依頼してくださるお客様が多い理由はどこにあると思いますか?
「先ほども触れましたが、買取できちんとした査定を出すと、”これはどうなの?”と他の物もご相談いただくことがあります。
実際、家具にこだわりを持っている方がハイブランドのアイテムを持っている、という場合も多いです。お客様も物の価値をわかって買っていらっしゃるので、それを理解できていないと信頼関係は生まれないんですよね。
査定知識や市場の動向を勉強して、常にアップデートしていく、ということに尽きるかと思います。

ちなみに、リピーターのお客様からエルメスのバーキン、クロコダイルレザーのバッグを400万円(※当時相場)で買取ったこともありました。
またご相談の連絡を頂けるのは嬉しいですね。


家具ばかりではなくブランドアイテムも買取もできるというのは、複数の販路を持つトレファクだからこその強みだと思います。もちろんお酒や着物といった他のアイテムでも、ベーシックな価格帯の家具でも買取は可能です。

査定金額に納得していただけたら、後日銀行振り込みをさせていただきます。事前にご希望をお伝えいただければ、その場で現金でお支払いすることもあります」
― 家具の買取を検討されているお客様に、一言メッセージをお願いします

「売れるまでずっと家に物を置いておかなくてはいけないフリマアプリよりも、出張買取はその場で査定をして搬出まで対応ができるなど、対面だからこそのメリットが結構あると思います。
査定額に納得いただいた時にだけ売っていただければ良いので、まずは良き相談相手としてご利用いただけたら嬉しいです。ぜひ、お気軽にお問合せください」

参考:「ブランド家具買取サービス」買取強化中のブランド一覧
[ラグジュアリーブランド]
- Minotti(ミノッティ)
- Molteni&C(モルテーニ)
- FENDI CASA(フェンディ カーサ)
- arflrx(アルフレックス)
- B&B Italia(ビーアンドビーイタリア)
- Poltrona Frau(ポルトローナ・フラウ)
- ligne roset(リーン・ロゼ)
- Erba Italia(エルバイタリア)
- NATUZZI ITALIA(ナツッジイタリア)
- BoConcept(ボーコンセプト)
- Armani/Casa(アルマーニ/カーザ)
- DREXEL HERITAGE(ドレクセルヘリテイジ)
- THEODORE ALEXANDER(セオドアアレキサンダー)
[国産ブランド]
- domani(ドマーニ)
- 飛騨産業(ヒダサンギョウ)
- 松本民芸家具(マツモトミンゲイカグ)
- karimoku(カリモク)
- 天童木工(テンドウモッコウ)
- 岩谷堂箪笥(イワヤドウタンス)
- 柏木工(カシワモッコウ)
- Ritzwell(リッツウェル)
- CondeHouse(カンディハウス)
- NAGANO INTERIOR(ナガノインテリア)
- MASTERWAL(マスターウォール)
- 起立木工(キリツモッコウ)
- CRASH GATE(クラッシュゲート)
- ACTUS(アクタス)
- ACME Furrniture(アクメファニチャー)
- マルニ木工(マルニモッコウ)
- 高山ウッドワークス(タカヤマウッドワークス)
- JOURNAL STANDARD FURNITURE(ジャーナルスタンダードファニチャー)
[北欧・ヴィンテージブランド]
- Carl Hansen&Son(カール・ハンセン&サン)
- FRITZ HANSEN(フリッツ・ハンセン)
- EKORNES(エコーネス)
- Vitra(ヴィトラ)
- PP Mobler(ピーピーモブラー)
- G-PLAN(ジープラン)
- BoConcept(ボーコンセプト)
- Fredericia(フレデリシア)
- Artek(アルテック)
- Louis Poulsen(ルイスポールセン)
- HALO(ハロー)
- GETAMA(ゲタマ)
- Hjellegjerde(イエリアーダ)
- ADELTA(アデルタ)
- J.L.MOLLERS(ジェイエルモラー)
- HOUSE OF FINN JUHL(ハウス・オブ・フィンユール)
- ERCOL(アーコール)
- GUDME(クドメ)
- Medea(メデア)
[デザイナーズブランド]
- Cassina(カッシーナ)
- ROLF BENZ(ロルフ ベンツ)
- ligne roset(リーン・ロゼ)
- Vitra(ヴィトラ)
- Harman Miller(ハーマンミラー)
- ClassiCon(クラシコン)
- Knoll(ノル)
- MAGIS(マジス)
- Kartell(カルテル)
- Frank Lloyd Wright(フランクロイドライト)
- Carl Hansen&Son(カール・ハンセン&サン)
- FRITZ HANSEN(フリッツ・ハンセン)
- PP Mobler(ピーピーモブラー)
- Fredericia(フレデリシア)
- Wittmann(ヴィットマン)
※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。最新の情報と一部異なる場合がありますのでご了承ください。