何かと忙しい年末の大掃除ですが、磨き掃除の前にお部屋の片づけをする予定はありますか?
本企画では年末大掃除をテーマに、家事代行マッチングサービス“タスカジ”に所属するsea(しー)さんにご協力いただき、効率よくプロの仕上がりを維持できる年末大掃除の片づけマニュアルを作りました。
捨てることだけにフィーチャーした片づけメソッドが多く出回る中、延べ6000軒の片づけをしてきたseaさんは、すぐに散らかりがちな家の仕組みや動線にアプローチし改善する片づけ法を実践しています。
「自然に捨てられる方法」「必要なものの見分け方」をはじめ、「リバウンドしない片づけ方法」について記事にまとめました。
監修者プロフィール

タスカジ(タスカジ研究所) sea(しー)
家事代行マッチングサービス“タスカジ”に在籍し、延べ6000軒の片づけをしてきた片づけのプロ。口コミによる人気から「予約が取れない家政婦」と呼ばれ、現場の第一線で活躍中。著書に『家じゅうの「めんどくさい」をなくす。ー いちばんシンプルな「片づけ」のルール 』(ダイヤモンド社)がある。
年末大掃除の前に片づけが有効な理由

大掃除と言えば「磨く」という印象を持つ方も多いかもしれませんが、「部屋をきれいにすること」を目的にするならば、掃除の前に片づけを行う必要があります。
片づけを掃除前に行えば、掃除が必要な場所や優先順位が明確になる上、モノをよけるなどの作業が省かれ、格段に掃除の効率とクオリティが上がるからです。
そして片づけの代表格とも言える作業が「捨てる」です。この方法で片づけを実践した場合、以下のような効果が期待できます。
物理的に大量のモノを減らすと
- → 整理整頓を楽にして片づけの負担が減る
- → モノの少ない生活で精神的負担が減る
- → 無駄な出費が減り、最小限のモノで生活を送れる
手放す行為を無理なく実践できる人なら、「捨てる片づけ」は理に適った片づけ法のひとつといえるでしょう。しかし、モノを捨てる行為のハードルが高く、最初の工程でつまづいてしまう人も多くいます。
「捨てる」は片づけの唯一の解決法ではない

片づけのプロseaさんは、捨てるのが苦手なら無理に捨てなくてもいい、といいます。
seaさんが日々実践している、捨てることだけに囚われない片づけ術。それは、使ったモノを元の場所に戻す際の「めんどくささ」を解消することなのだとか。
「めんどくさい」要因は以下の通りです。
- 収納にゆとりがない
- 戻すまでのアプローチが長い&障害物がある
- 動作しにくい
- 定位置が複数 or 決まっていない
本記事ではこのうち、「収納にゆとりがない」の解消方法から、「捨てられなくても片づく」片づけの進め方を紐解いていきます。
ここまで読んで、「年末大掃除を機にこの片づけ法を実践し、心身ともに気持ちよく新年を迎えたい」と思えてきましたか?
最初に大量にモノを捨てるだけが、片づけの手段ではありません。むしろそんな思い込みを持っている人にこそおすすめしたい方法をご紹介します。
大掃除前の片づけ① 「捨てる」より「分ける」

捨てない代わりにがんばってほしいのが「分ける」作業ですが、その前に迷わず捨てられる明らかなゴミがあれば処分してしまいましょう。
明らかなゴミとは、例えばリビングであれば積みっぱなしになったDMやチラシ、キッチンなら賞味期限のすぎた調味料、洗面所ならずっと使われていない試供品など。捨てることが惜しくもないのに、その判断ができていないものを一掃しましょう。
ここから「分ける」作業をはじめます。
仕分け1:広いスペースを用意してすべてを出す

まずは「片づける」と決めたエリアのモノをすべて出します。「ここに入れたものはわかっているから大丈夫」という例外を作ってはいけません。埋もれて見落とすモノが出るだけでなく、トータル量とモノの状態をしっかり把握する必要があります。
仕分け2:カテゴリにざっくり分ける

収納から出したモノは、その手でカテゴリ別の粗い山に分けます。
洋服ならトップス、ボトムス、アウターぐらいの粗さで構いません。同じカテゴリが数カ所に点在している場合は「集合」と号令をかけるつもりで一か所に集めます。
仕分け3:「使う」か「使わない」かで分ける

基準はシンプル。判断はひとつにつき5秒で行いましょう。
使うモノの基準は「現在日常で使っているモノ」、「ないと困るモノ」。「使うかも」「使えそう」という曖昧な感覚のモノはすべて「使わない」に分けるのがポイントです。
仕分け4:「使わない」を「処分」と「保留」に分ける

使わないモノの中でも、手放すことに躊躇する場合もでてきます。
例えば、存在を忘れていた服、高価な服、やせていた頃の服といったアパレル系のものなら、その場で一度身に着けてみると(鏡の前で顔に当てるだけでも)しっくり来るかどうかが直感で分かります。サイズが合わないものはダイエットのモチベーションになる場合もあるので、「これは着たい」と思えるものなら無理に処分する必要はありません。
部屋着は外出着を捨てないための逃げ道になりがちですが、着心地の良さで3~5着ほどあれば十分です。洗濯周期で着回す数以外は手放しましょう。
他にも贈答品、ブームが過ぎた調理家電や器具・美容家電、子供の教材・プリント、縁起物・ぬいぐるみ、ブームが過ぎた趣味のモノなど、もし迷ったら一度「保留」に分けてしまって大丈夫です。ただ安易に「保留」にするのではなく、「今」使っていない理由を一度考えて、モノの価値を見極めるようにしましょう。
例外は思い出のモノ。これは使うかどうかの軸では判断できないモノなので、ひとつにまとめて「保留」に入れてよいと思います。
仕分け5:売る選択も「保留グループ」を手放すひとつの方法

ここではモノを無理に大量に減らす必要はありませんが、捨てることに躊躇する場合でも、誰かにゆずる、売るという選択なら手放せるものも出てきます。もし「もったいない」が理由だとしたら、売る方法で手放すこともおすすめです。
ここでは「取っておきたい!」と保管する価値を感じるモノだけを選びましょう。
ここで「一番必要なモノ」と「手放すモノ」が明確に

ここまでで、仕分けのほとんどが完了しました。でもあと一息、もっとも重要な仕分けが残っています。使うモノと保留のモノについて、もう少し詳しく向き合っていきましょう。
最終仕分け:使うモノは一軍と二軍に分ける
ここですべての「使うモノ」を一気にしまってはいけません。「今使うモノ」「使うけど今じゃないモノ(オフシーズンやイベント系のアイテム)」の2つに分けて、「今使うモノ」を一番戻しやすい場所に“ゆったり”しまっていきます。
順番は使用頻度が高い順。「今使うモノ」が完璧に収まってから、ほかのモノを使用頻度順にしまっていきます。
具体的なしまい方は次の章『場所・カテゴリ別のしまい方』を参考にしてみてください。
「保留グループ」を最後にもう一度見直す

すべての仕分けが終わった時、この「保留グループ」が大量にあるはずです。
さて、ここで「使うモノ」にもう一度目を向けてください。そこには自分の生活に必要なモノだけがまとまっていて「これだけあれば生活は回るな」という安心感があるのではないでしょうか。
その頭でもう一度「保留グループ」を見てみると、その中にも優劣があることが分かってきます。例えば「白いトップスが何枚もあるけど、これはサイズが小さいし、これはデザインが若すぎる」というように。そう思うと、惜しまず手放せるモノが出てきます。
そういったモノを無理なく手放せたら、厳選された「保留グループ」はギュッと密度を上げてケースにまとめ、収納の残ったデッドスペースに逃して「封印」します。
seaさんの経験上、保留グループが一か所に集まると、手放しやすくなる傾向があるといいます。似合わない服や使わなかった調理器具など、自分にとって「イマイチなモノ」が塊になると、全体的にどんよりした雰囲気が漂い、手放しても良い気持ちが芽生えるのです。
場所・カテゴリ別のしまい方

「使うモノ」が明確になったら、いよいよ「しまう」作業のはじまりです。目的は戻すめんどくささをなくすこと。一度モノをすべて出したことで、しまうのに最適なVIP席も空いています。先述した「めんどくさい」のポイントを意識しながら、しまう作業を進めていきます。
大掃除前の片づけ② クローゼットのしまい方

クローゼットは第一に洗濯物のしまいやすさを意識します。服を詰め込みすぎず、洗濯物の取り込みから収納までの道のりの障害物をできる限り減らします。
吊るす・丸める・引き出しの収納
しまう順番は、アウターやシワを付けたくない服など、必ずハンガーにかける服から。一番かさばるので、最初に場所を確保しましょう。ゆったり収納の空間を確保できるなら、できるだけこの方法がおすすめです。
デニムのようにシワになりにくいものは、クローゼット内に大きめのかごを設置し、丸めたものを立てる収納方法もあります。
また、ハンガー下の空いたスペースには3段程度の引き出しがぴったり。仕切りには紙袋がおすすめです。手で折れば高さの調節ができるので便利です。
【保留グループのしまい方】
- 最終的に残ったモノは、すべて奥に封印します。ビニール製の圧縮袋や不織布ケースなど柔らかい袋に入れると余った空間に入れやすいためおすすめです。
大掃除前の片づけ③ キッチン用品のしまい方

キッチンはモノの出し入れがもっとも多い場所。その循環をよくするためには、モノを詰め込みすぎない、縦の動き(背伸びやしゃがむ)が必要な場所には普段使わないモノをしまうなどがポイントです。
ストックなどモノが増えた時のために、最初からゆとりある収納を心がけておくと良いでしょう。
調味料はサイズをまとめる収納
粉ものや砂糖・塩のストックは、大きめの保存袋やケースにまとめると埋もれにくいです。スパイスなど小さいパッケージや、スポンジのようにばらけやすいモノも、同じ大きさでまとめて塊にすることで在庫が分かり易くなります。また、毎日飲むコーヒーやサプリメントなどは、使用する場所のすぐ近くに出しっぱなしでもOK。動線を考えて配置すると良いでしょう。
食器こそ「使うモノ」をVIP席に
使う頻度の高い食器は、例えば「朝食のセット」のように使うシーンでまとめると、出し入れが手間なくできるように。その他の食器は、大きさで分けていきます。大きい食器は目線より上でも少し低くても、一部が見えて手が届く場所であればOKです。小皿や小鉢は全体を見回して選べる高さに収納します。目線よりやや下の手元に近い位置がおすすめです。
【保留グループのしまい方】
- しまう場所はキッチン内のデッドスペース。シンク下の空間、背面収納の奥、手が届かない高い位置などです。調理家電などは関連パーツをセットにまとめ、透明なビニール袋でコンパクトにくるみましょう。
大掃除前の片づけ④ リビング・ダイニングでのしまい方

様々な用途のモノが集まるリビングには、モノが増えすぎないように注意が必要です。ここでのポイントは、使用済みの書類や思い出の品など、「過去のモノを置かない」こと。このルールがあれば、不要なモノが分かり易くなります。
リビング・書類のしまい方
細かく分類してバラバラにしまうのではなく、大きく2つに分けます。契約書や保証書のような「保存」が必要な場合は、ばらけないようケースにまとめ、普段目に入らない場所にしまいます。振込用紙など「対応」が必要な書類は忘れないよう、目に入る場所に出しておきましょう。
リビング・小物や雑貨の扱い方
モノがリビングに集まるのは避けられないため、無理に片づけるより「気にならない状態」にすることを目指します。ごちゃつきやすい場所の代表は、キッズスペースと本棚。これを視界に入りやすい位置からずらすのがおすすめです。入口の正面やソファやテレビの前を避けると良いでしょう。
キッズスペース・おもちゃのしまい方
ここでのゴールは「子供が自分で片づけられる」こと。お気に入りがすぐに見つかることや不器用な子供でもラクに出し入れできるかを基準につくります。おもちゃの収納は、ポンポンと入れるだけで片づくようなシンプルなものが理想です。おすすめはカラーボックス2つを横と縦のL字型に組み立て、取っ手付きのカゴを設置したもの。大きいおもちゃはカラーボックスの上に置くだけで、子供にも片づけやすい収納の完成です。
洗面所・納戸などのストック品のしまい方
お米や飲料、非常食など食べ物のストックは、重いものが多いので、玄関に近い場所が理想です。数が多い場合にはメタルラックがおすすめ。一か所にまとめることで、うっかり賞味期限を切らしてしまうことや過剰なストックを防ぐことができます。キッチンペーパーなど紙類は軽いので高い位置に、洗剤やシャンプーといった詰め替えストックは肌につけるものかどうかで分けて置くと識別しやすくなります。
【リビングに保留グループは作らない】
- リビングにしか居場所がないモノはごくわずかです。仕分け作業で迷うモノはその持ち主(家族)の手元に戻して個人で保管します。
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トレファク出張買取の強みは取り扱い品目の幅広さです。ご自宅のあちこちで出た不用品を一度に査定できるため、効率的にお部屋の整理を進められます。
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店頭へ持ち込む手間や待ち時間がなく、ご予約日当日に買取が完結します。予約日に合わせて大掃除のスケジュールを立てられるメリットも。大型家具や家電の運び出しまで対応しますので、お客様の負担を最小限に抑えることができます。(大型品の搬出は後日となることがあります)

seaさん
大量にモノを手放すことだけに囚われない、リバウンドしない片付け方法はいかがでしたか? これまで片付け本を読んでもつまづいていた方にも、試してみていただけると嬉しいです。
気持ちよく年末年始を過ごすことができるよう日常の中で見過ごされる「めんどくさい」をなくし、「今必要なモノ」に目を向けて、快適な暮らしを見つけてくださいね!
※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。最新の情報と一部異なる場合がありますのでご了承ください。